便器水漏れ

まもなく彼は、庭つづきのそこここの別荘から、二三人の非常に若い青年がでてきて、彼等の仲間に加わったのを認めた。一人は大学生だったが、もう一人のほうはまだほんの中学生便器水漏れにすぎなかった。彼等はすぐさま我の少女のそばへ走り寄ったし、その少女がいるからこそ彼等がでてきたことは一見して明らかであった。さらにもう一人の『青年』は、すこぶる陰気くさい、頭髪を蓬々にして、大きな青眼鏡をかけた二十歳ほどの子であったが、出てくるや否やまりやにきーちしなやなーぢゃをお客に、眉の根を寄せながら何やら早口にひそひそトイレをしはじめた。そして彼は嶮しい眼つきで、斉藤のほうをじろじろ見るのであった。打ち見たところ、彼に対して極度の軽蔑的な態度をとることを、我の義務とでも心得ているらしい。二三人の少女が、早く何かして遊びましょうよと言いだした。何をして遊ぶんですという斉藤の問いに答えて、彼女たちは、鬼ごっこをはじめどんな遊戯でもするけれど、夕方には諺ごっこをするのがまず普通だと言うのだった。この諺ごっこというのは、みんながひと塊まりに座って、一人だけが一時その場をはずしている。そして座っている連中が相談をして、何か一つの諺、例えば『急がばまわれ瀬田の長橋』を選び出す。そこで離れていた一人を呼び戻して、めいめいが順々にそれぞれ一句ずつを考えて、それを鬼にトイレして聞かせる。