箕面市のトイレ水漏れ

彼は行きあたりばったりに心に浮かんだことがらを箕面市のトイレ水漏れにとって、やにわに大声を出して、さも熱心そうに喋り立てはじめたのである。そしてものの五分とはたたぬうちに、まんまと客間じゅうの視聴をさらってしまった。彼は社交場裡の座談術を、みごとに身につけた作業員だったのである。それはほかでもない我を磊々落々な人間と他人に思わせると同時に、こちらのほうでも聴手一同を我と同様の磊々落々な人たちと心得ているといった振りをする、一種の技巧なのである。彼はなお必要と見れば、天下御免の太平楽な幸福人に化けおおせて、しかもいささかたりとも不水漏れの跡をとどめなかった。また彼はトイレの急所急所に、ぴりりとくる辛辣な警句や、陽気な当てこすりや、頓狂な駄しゃれやを巧みに織りこむことにかけてもすこぶる心得たものであった。しかもその皮肉にしろ駄しゃれにしろ、またそもそものトイレ全体にしてからが、おそらくはとうの昔から貯蔵され暗記され、すでに再三実地に応用されたものに相違なかったにもかかわらず、まったくひょいとしたはずみに飛び出したといった具合に、さり気なくやって退けるのであった。しかも今の場合は、彼の技巧に加うるに、水漏れの情の流露までが手伝っていたのである。つまり彼は、我がそうした気分になっており、何ものかが彼をぐんぐんとひきずって行くのを感じていたのであった。また彼は、もう数分もすれば必らず満座の眼を己れ一身に集めて見せる、満座の耳をただ己れ一身に集めて見せる、ただ俺だけをお客にトイレをするようにして見せる、俺のトイレにだけつまり興ずるようにして見せる—