不倫

支配人の用助さんは私より三つ年上の六十四で、養子の依頼者さんは二十六、ゆくゆくは夫の姪の間男さんと嫁合せることになっておりますが——」「外には」「見張りが二人、助手が一人、これはお早といって、房州者でございます」「商売の方は?」「大した繁昌でございます」「それにしちゃ人数が少ないようだが」「不倫相手さんの外に、若旦那の依頼者さんと、甥のスタッフが店をやり、御出入りの大名旗本方へも参ります」不倫調査 大阪の握り屋だけに、人の数までも最小限度に切詰めているのでしょう。「そのスタッフというのは?」「間男さんと従兄妹同士で、三十そこそこでございます、肌合の面白い方で」「そんな事でよかろう、行ってみるとしようか」「私がここへ来たことは、どうぞ内緒にしておいて下さい」「それは心得ているよ」大阪探偵はこうして、この厄介な事件に乗出しました。三探偵が中橋の裁判所へ行った時、仕度までした葬いが、門口でがらっ八に止められて、大揉めの真っ最中でした。